高齢者ドライバ-の交通事故

テーマ

近年高齢者ドライバーの交通事故が問題となっています。加齢に伴う動体視力や瞬時の判断能力、認知機能の低下などの個人的要因に加え、核家族化による高齢者のみの世帯の増加や高齢者免許保有率の増加などの社会的要因もあるといわれています。今回は、高齢者ドライバーの交通事故について考えるために、年代に注目して交通事故件数をグラフにしました。

グラフ

免許保有者10万人当たりの交通事故件数を年齢層別の柱状グラフ(ヒストグラム)として作成。
(参考:警察庁>2017年交通事故発生状況

結果と考察

1. 10代、20代の若い年代の交通事故が多い

明らかな特徴として、10代20代の交通事故の多さが見られる。免許保有者10万人当たりの交通事故件数は、全体の平均で543.5件である。一方で、20代以下の件数をみると、16~19歳で1649.9件20~24歳で979.7件25~29歳で697.4件それぞれ平均を超えている。原因として、運転免許取得して日が浅い運転技能が未熟な10代、20代の運転者の交通事故が多くなっていると考えられる。また、暴走族等の危険な集団運転が多いことも原因として考えられる。

2. 60代以降に交通事故が増える傾向にある

また、60代以降の交通事故件数が徐々に増えていく傾向がある。特に、70代以降では70~74歳で497.6件75~79歳で581.8件80~84歳で630.5件85歳以上で712.2件と増加していく。原因として、認知機能や身体機能の低下によるブレーキ・アクセルの踏み間違えなどの操作ミスや人や車に気づかず反応が遅れるなどの反射能力の低下が考えられる。

3. 対人事故でも10代が多いが、80代以上がこれに匹敵する

大怪我や死亡事故に直結する「人対車両」の事故に注目するために、免許保有者10万人当たりの人対車両の交通事故件数を年齢層別の柱状グラフ(ヒストグラム)として作成した。こちらも10代の事故件数が82.9件と最も高い。また、80~84歳で77.0件85歳以上で71.0件と10代に匹敵する高さになっている。これは、1、2で示した原因が顕著に現れていると考えられる。

まとめ

事故件数としては10代20代が多い。しかし、この年代は運転年数が長くなるにつれて、運転技能が高まるため事故を起こす確率が減少していくと考えられる。一方で高齢者ドライバーの事故が近年問題となっている。高齢者ドライバーの問題は事故件数の多さでなく、今後運転を続けていく中で事故を起こす確率が高くなっていくことにある。高齢者に免許返納を促すのは本人を守ることであると同時に、大怪我や死亡事故に直結する「人対車両」の事故を防ぐ上でも重要になる。

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